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声優にとっての間が魔になる瞬間

さて、セリフやナレーションを話すうえで間をとる必要性があります。

 

セリフの基本的な構成の仕方はこちらをご覧ください

はい、今回はその間の取り方を詳しく述べていきます。

 

ところでみなさん、間ってなんですか?

ただセリフとセリフの間に時間をとるだけ?なるほど、それでは魔になります。

 

以下は真地勇士さんの著書である「稼ぐ!話し方」を参考に間を見ていきます。

 

間というのは、強調したい言葉の前に「間」をつくることで、その言葉をより際立たせる方法の一つです。簡単に言えば「間」は「しんとする瞬間」のことです。

 

これを意識的に作ることで、聞き手の意識を自分にひきつけ注目をめることができます。それと同時に聞き手に対し、情景を思い浮かべてもらう時間を与える役割があります。

 

ではどのくらいの間をとればよいのか。徳川夢声さんが「間は魔に通ずる」という名言を残され、今でもそれは声優らにとってその通りであるといえます。これはセリフ、ナレーション共にいえるからです。

 

ここからはナレーションにフォーカスを置きます。ナレーションはセリフとはアプローチのベクトルが逆であると私は考えているため、あくまで参考までにしてくださいね。

 

ナレーションの世界では強調したいときは「ワンポーズ」(1~2秒)や「一拍」の間をとります。ほんの少しだけ強調したいときは「気持ちだけ」とか「半ポーズ」間をとるという場合もあるのです。

 

ですが、逆に極端に強調する際、句読点を無視して読むこともあります。

例えばこんな文章です。

 

「フグを食品として提供できるのは免許を持ったフグ調理師に限られていた。しかしそんなフグに異変が起こっている!」

 

このとき通常の読み手であれば、「限られていた。」の句点で一度区切って読みます。

でも、「そんなフグに異変が起こっている!」をもっと強調したいならば、「限られていたしかし」と句点を無視して読むのです。そして、「しかし」を少しだけ強調し、その後に2秒ほどの間をとります。

 

これを文字に表すとこうなります。

「フグを食品として提供できるのは免許を持ったフグ調理師に限られていた しかし!

そんなフグに異変が起こっている!」

 

どうでしょうか?「フグに異変が起こっている!」という部分がより強調されていますよね?

 

これはほんの一例ですが、セリフはもちろんのことスピーチやプレゼンにも活かせる有効なテクニックになります。

間は魔にならないよう、聞き手の立場になってその長さを考えるとよいでしょう。

 

ということです。(参考終わり)

 

この文章はよくできており、確かにわかりやすく間が説明されており、自分の声優人生にも活かされました。

 

声優養成所ではナレーションももちろんやりますが、やはりセリフがメインとなります。そのうえで、ある程度のうまい連中とキャラクターを演じ分ける際、「間」はその人独特の持ち味として活きるよう工夫する必要がありました。

 

間の取り方が下手で、相手に畳みかけるように話してしまうと、相手は何を言われているのかわからず、演技が成立しませんし、逆に間をとりすぎると「なんでこの人黙ってるの?」となるわけです。

 

正直、間の取り方は個性ですから、どれが正解もなにもありません。立てたい部分が読み手と制作者の間で合致していれば、どこを立てても構わないのです。

 

とはいえ、あまりに変な部分の強調であったり、商品名など立てるべき部分が明確なのに、違う部分を立ててしまうような間の取り方は、間ではなく魔になっているので、経験を積み、聞き手の立場になり、繰り返し練習してセンスを磨く必要があります。

 

ここで「間」を自分の武器にできれば、その人の世界というものが聞き手に情景として思い浮かばせられ、独自の世界を築く足掛けになるのです。

 

 


 

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