新人声優の収入・ギャラ
声優のギャラって実は基本的に事前に日本俳優連合という組織が決定している事項にのっとって決められているんです。
あの人、たくさんの作品に今出てるし、めっちゃ稼いでるだろ!って思われるかもしれませんが、昨今とりわけ女性声優に関してはかなり早いサイクルで入れ替わってると思いませんか?
というのも、この日本俳優連合の決めたギャラに従ってギャラを払わなければいけないから、使う側としては安くて、使える新たな声優を欲しがるってのは世の常なわけでして。だからこそ前回の個性が必要になってくるわけです。
んじゃ、一体ギャラっていくらやねんと申しますと、高いと思われるか安いと思われるかわかりませんが、新人で15000円です。あ、これアニメ30分枠の値段です。この中に交通費も含まれていますし、収録後の呑み会代ももちろん含まれていますよ。練習時間等ももちろんです。
しかも、事務所によってまちまちですが、だいたい2~3割は事務所のマージンとして持っていかれますし、ギャラの支給は作品が完成して、世の中に出て初めて発生します。
これいいかえれば、途中でおじゃんになってしまった作品ではギャラは支払われないってことなんです(まぁ大御所相手にそんなことできないでしょうから、新人のうちだけでしょうけど)。新人のうちはこの最低であり最高金額の15000円枠から抜け出ることはできません。
これを声優のランクといいます。ランクは、15000円期間が3年、その後、強制的に2万円まで格上げされ、その後、千円ずつ上昇していき、MAXが49000円、その後はフリーです。
しかも新人声優は、ギャラが15000円のうえ、かつ再放送や、劇場版が売れたなどといった副収入は入ってきません。あくまで15000円こっきりです。
2万円のランカーになれば、もっと細かな条件のもと、適宜ギャラが発生しますが、ここで問題が発生します。
3年のうちにその人の価値、すなわち「その人でなければならない理由」がなければ、ここで切り捨てられてしまうのです。それはそうですよね?Aという人物とBという人物で似たような実力、なのにかたや15000円ぽっきり、かたや2万+aとなれば、理由がない限り、Bを採用するに決まっています。
これが昨今の声優業界の早いサイクルの原因につながっていると私は考えます。
勿論このランク制にもメリットは存在します。というのも声優は芸能界において、指定カーストといわれているぐらいギャラが安かったのを、何とかしようとしてできた制度がこのランク制だからです。
ですから、声優としての未来をつかむには、簡単な話、安いギャラの時代に個性を生かして、その人でなければ仕事が成り立たないという環境づくりをしていくことが必要になってくるのです。
ちなみにですが、アニメのレギュラー枠を一つとったところで、上記の値段で考えれば当然ですが、まず食ってはいけません。月4万円しかないのでは無理です。
だからトークスキルや個性を生かして、アフレコに限った話ではなく、ほかの現場に呼ばれて活躍する必要性が生まれてくるのです。
くわえて、日本俳優連合に加盟していない事務所もあります。その場合、ランクには当てはまりませんから、上記の値段とは異なってくることを悪しからず。</p